国別のメダル総獲得数で見事3位と、日本勢の大活躍で興奮のうちに幕を閉じた2024年パリオリンピック。
従来からある競技はもちろん、ブレイキン、スケートボード、サーフィン、スポーツクライミングと新たに採用された競技も注目されましたよね。
2028年、ロサンゼルスで行われる第34回オリンピック競技大会では、野球、ソフトボール、クリケット、ラクロスの競技復活も注目されていますが、初採用となるスカッシュとフラッグフットボールも見逃せません。
聞き慣れない方も多いと思うのですが「フラッグフットボール」ってどんな競技かご存知ですか?
どういうスポーツなのか予備知識があるだけで応援に熱も入る!ということで、今回はフラッグフットボールについて紹介していきます!
フラッグフットボールとは?
フラッグフットボールの起源はアメリカンフットボール。
アメリカンフットボールをより安全に、かつ少人数、小スペースでも楽しむことができるように考案されたスポーツです。
日本には1990年代後半から本格的に伝わったとされており、比較的歴史の浅い競技。
アメリカンフットボールでいう「タックル」の代わりに相手プレイヤーの腰の左右につけた「フラッグ」を取り、選手同士の身体的接触は原則として禁止されています。
子供も楽しめるスポーツとして新学習指導要領に掲載され、今では多くの小学校で体育の授業として採用されています。
フラッグフットボールのルール
・コート
正式ルールでのコートの広さは約25ヤード×40ヤードですが、プレイする場所や人数、体力などによってこれよりも小さなコートで行うことも可能です。
・使用する用具
使用するものはボールとフラッグ(フラッグを腰につけるベルトもあるとよい)です。
ボールはアメリカンフットボールと同じく楕円の形をしています。
サイズは小学生用と中学生以上用があり、素材は主に人工皮革のものが使われますが、レクリエーション用や子供向けのゲームでは、ゴム製のボールが使われることがあります。
楕円形のボールでのプレイが難しい場合は、ハンドボールなど小さめのボールで代用することも可能。
フラッグはハンカチのようなタイプと、ソケットタイプと呼ばれるテープのような形状のものがあります。本格的な大会等でなければ、フラッグはハンカチやタオル、ハチマキなどでも代用可能です。
・基本ルール
①試合は5人対5人で行い、選手交代は何度でも自由に行うことができます。
オリンピックでは1チーム12人の中から、選ばれた5選手がフィールドに立ちます。
②攻撃側には4回の攻撃権が与えられます。
③攻撃側は自陣のゴールラインからスタートします。センターというポジションの選手が股の下を通して、後ろにいるクォーターバックというポジションの選手にボールを渡す(スナップ)と試合が始まります。
④攻撃側はボールを敵陣のエンドゾーンまで運ぶと得点(タッチダウン)となります。
⑤手渡しでのパスや後ろへのパスは、プレー開始地点より後ろのエリアであれば何度でも可能ですが、前方向へのパスは1度しかできません。ボールがプレー開始地点を過ぎたら、パスをすることはできなくなります。
⑥攻撃のたびに「ハドル」と呼ばれる作戦タイムが設けられ、次の攻撃で誰がどういう役割でどう動くか、などを話し合います。
⑦1回の攻撃が終了となるタイミング(ボールデッド)
・ボールを持っているプレーヤーのフラッグが守備側選手に取られた時や、何らかの要因で自然に取れてしまった時
・ボールを持っているプレーヤーがボールを落とした時
・ボールを持っているプレーヤーがサイドラインを踏むか外に出てしまった時
・パスの失敗によりボールが落ちてしまった時
⑧攻守交代になるタイミング
・得点が入った時
・4回の攻撃で得点が入らなかった時
・攻撃側がパスをした際に、空中で守備側のプレーヤーにボールを奪われた場合(インターセプト)
※インターセプトでは、その瞬間に攻守が入れ替わります。
ボールを奪った選手は、そのままタッチダウンを狙って相手のエンドゾーンまで走っていくことができます。もし途中でフラッグを取られても、その位置から4回の攻撃を開始することができます。
フラッグフットボールのポジションと役割
フラッグフットボールには、アメリカンフットボールと似たポジションがありますが、ルールが異なるため、役割も若干異なることがあります。
※ポジションによって主な役割は決まっていますが、全員がボールを持って走ったり、パスを投げたり受けたりすることができます。
※ポジションによって主な役割は決まっていますが、全員がボールを持った攻撃側の選手のフラッグを取りに行ったり、パスを奪いに行くことができます。
単純なように見えて奥深いスポーツ
「フラッグフットボールはアメフトの簡易版」という認識も間違ってはいないのですが、だからといって単純で単調的…というわけではありません。
アメフトと同じように攻撃のたびに作戦タイム(ハドル)があり、プレイブックというフォーメーション等の戦術をまとめたチームごとの作戦ノートもあります。
また、 フラッグフットボールではアメフトにあるパワー要素が排除された分、技術やスピード、戦術・戦略が非常に重要になってきます。
子供でも安全で気軽に楽しめるスポーツであると同時に、プロ選手の高度なプレーや洗練された戦略、緊張感あふれる試合展開は見応え十分。
日本ではまだまだ知名度が高いとは言えないスポーツではありますが、諸外国の選手との体格差がハンデにならず、むしろ綿密な駆け引きや緻密な作戦を立てることで引けを取らない戦いができる可能性があるフラッグフットボール。
ロサンゼルス五輪で正式種目に採用されたことで、さらに世界的にも注目を集めること間違いなし!これから日本でこの競技がどう広まっていくのか、今から目が離せません。